話数単位で選ぶ、2022年TVアニメ10選
2022年に放送されたアニメから、10個選ぶ企画。今年も参加します。ルールは以下。
- 2022年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定
- 1作品につき上限1話
- 順位は付けない
- 明日ちゃんのセーラー服 7話 「聴かせてください」
- 可愛いだけじゃない式守さん 8話 「文化祭Ⅱ」
- チェンソーマン 4話 「救出」
- Do It Yourself!! 4話 「【すてっぷ④】DIYって、どこでも・いごこち・よくなるよ」
- パリピ孔明 6話 「孔明's フリースタイル」
- ぼっち・ざ・ろっく! 8話 「ぼっち・ざ・ろっく」
- ヒーラー・ガール 4話 「一歩とホラーと初仕事!」
- リコリス・リコイル 2話 「The more the merrier」
- ゴールデンカムイ 40話 「ボンボン」
- 時光代理人 -LINK CLICK- 2話 「秘伝のレシピ」
一覧は以下です。
明日ちゃんのセーラー服 7話 「聴かせてください」

©︎博/集英社・「明日ちゃんのセーラー服」製作委員会
小学校ではずっと同級生がおらず一人だけで学生生活を送っていた主人公明日小路が、憧れのセーラー服を着て、たくさんの同級生と中学生活を送る話です。
この回は、うっかりギターが弾けるなんて見栄を張ってしまったせいで、友人の前で弾かなきゃいけなくなったクラスメイトの蛇森さんが中心の話。四苦八苦しながらギターの練習をする蛇森さんでしたが、披露の直前に経験者の友人による、自分よりずっと上手いピアノの演奏を聞き萎縮してしまいます。何かを始めたとき、最初は苦労したり、実際に表現するときに怖くなったりという心の動き。そして、勇気を出してそれが誰かに届いたときの喜びも普遍的なもので。蛇森さんの頑張りを見守りつつ、自分はどうだっただろうかと思い出すこともできるようなエピソードとなっていたのがよかったです。
可愛いだけじゃない式守さん 8話 「文化祭Ⅱ」

©︎真木蛍五・講談社/式守さん製作委員会
滅多やたらに不幸な目にあう和泉くんと、彼を守るため時々やたらとイケメンになる彼女、式守さんのラブコメ。
この回は式守さんとは対照的なサブキャラクター、狼谷さんのエピソードです。普段は男子からも女子からもキャーキャー言われるイケメン女子の狼谷さんが唯一心休まる、和泉くんと一緒に図書委員の仕事をしている時間。そのわずかな時をシンデレラになぞらえる演出がよかったです。しかしながら、ガラスの靴を置いて待っていた狼谷さんは選ばれなかったというのが泣けます。普段髪を結びラフな格好をしているのを、図書室の前では髪をほどきシャツをしっかりしまう、細かな振る舞いから見える乙女心がいじらしい狼谷さんでした。
チェンソーマン 4話 「救出」

©藤本タツキ/集英社・MAPPA
親が遺した借金に追われながら暮らしていた悪魔ハンターのデンジが、ひょんなことから悪魔と融合。チェンソーマンとなって悪魔と戦う話。
この回は屈指の名?言、「夢バトル」が最高でした。デンジの馬鹿っぷり、というか、教育を受けてこなかったためにうまく言葉にはならないけれど憤っている感じが詰まったセリフだと思います。同時に頭のネジは完全にぶっ飛んでいて、戸谷菊之介さんの狂気をはらむ演技が決まっていました。前半の血みどろからうって変わって、後半はモーニングルーティンを丁寧に描くのも気持ちよかったですね。
Do It Yourself!! 4話 「【すてっぷ④】DIYって、どこでも・いごこち・よくなるよ」

©IMAGO/avex pictures・DIY!!製作委員会
新潟県三条市を舞台に、超絶不器用な主人公、結愛せるふがDIY部に入部し、友人を作りながらいろんなものを手作りしていく話。
この回は新たにDIY部に入部した留学生・ジョブ子がせるふの幼馴染・ぷりんの部屋に居候すると宣言し、勝手に家具やら道具やらを持ち込み、人んちの中に自分の部屋をDIYする話です。迷惑!ですが、それを手伝うことになったせるふとぷりん。その過程で、普段はツンツンしているぷりんの態度がちょっと柔らかくなり、せるふとぷりんが元々どういう関係だったかが垣間見えるいい雰囲気でした。後半に繋がる「ツリーハウス作り」を、DIY部とは距離を置いているぷりんが提案してくれるのも、元々はせるふの言葉からきており、ぷりんが思い出を大切にしているのがわかって感動的でした。
パリピ孔明 6話 「孔明's フリースタイル」

© 四葉夕卜・小川亮・講談社/「パリピ孔明」製作委員会
現代の渋谷にタイムスリップした諸葛孔明が、歌声に惚れ込んだ場末のシンガーを天下一に導くために計略を立てる話。
この回はより上を目指すためにラッパー・KABE太人を仲間にしようということで、孔明 vs KABEでMCバトルを行う回です。半分くらいが実際にMCバトルに費やされた回ですが、そのラップの上手さに驚きました。千葉翔也さん演じるKABE太人は普通にラップっぽくかつ聞きやすい、ちょうどいいバランスでしたし、置鮎龍太郎さん演じる孔明のお経っぽいラップも面白かったです。実際に音で聞かせることができるのは、漫画をアニメ化した時の強みの一つですね。
ぼっち・ざ・ろっく! 8話 「ぼっち・ざ・ろっく」

©はまじあき/芳文社・アニプレックス
孤独にギターの練習を重ねた結果、凄テクを身につけたもののコミュ障すぎて人付き合いに問題がありすぎる主人公・後藤ひとりがひょんなことからバンドを組むことになる話。
この回はオリジナルソングを引っ提げての初ライブ回です。当初、みんな緊張しすぎてバラバラな演奏がとてもリアルでした。そこから、ひとりのギターパワーをきっかけに立ち直っていく展開にテンション上がりました。凄腕配信者「ギターヒーロー」の顔と、駆け出しバンドのコミュ障ギター「ぼっち」の顔という、対照的な二つの顔を持つひとり。「ぼっち」のピンチに「ギターヒーロー」的な資質を発揮したのが示唆的で、二つの顔が混ざり合って一つになっていく、そんな成長の予感を感じさせる話でした。ちょっとスーパーマンみたいですね。タイトル回収もあり印象に残る回でした。
ヒーラー・ガール 4話 「一歩とホラーと初仕事!」

©Healer Girl Project
歌で病気や怪我を治す「音声医学」が確立された社会という、特殊な設定ですがお仕事ものっぽさもある作品。
この回は仮免試験に合格した主人公・かな、玲美、響の初仕事回です。手術してる隣で歌っているという、絵面だけ見るとトンチキさもありますが、医療ドラマの文脈に乗せることでヒーラーの仕事の大変さもちゃんと伝わる回でした。仕事における初めの一歩は誰でも経験することですし、想定外のことに焦ったり、やり遂げたことに自信をつけたりという心の動きは普遍的なものですね。また、他の回を見ずにここだけを見た場合、ヒーラーに不信感を持っている医師側に感情移入して見ることもできそうで、そういう意味でも話数単位ではベストだと思いました。
リコリス・リコイル 2話 「The more the merrier」

©Spider Lily/アニプレックス・ABCアニメーション・BS11
秘密組織「DA」のエージェントである「リコリス」、その中でも最強と言われる主人公・錦木千束と、相棒となる井ノ上たきなの日常、そして事件を描く作品です。
千束の超視覚と運動神経を生かした神回避やC.A.R Systemを採用したガンアクションがなかなか新鮮でよかったです。この回は、命を狙われている凄腕ハッカー「ウォールナット」をサポートし、無事に逃すという任務にあたる回。千束のトンデモっぷりとC.A.R Systemを存分に堪能できる回なので好きです。
ゴールデンカムイ 40話 「ボンボン」

©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会
アイヌから奪われた金塊を巡り、さまざまな陣営が思惑を持って争奪戦を繰り広げる作品。
帝国陸軍第七師団所属の鯉登少尉が、上官である鶴見中尉に心酔するに至った過去を描く回です。父に愛されていないと感じていた鯉登少年、しかし、誘拐事件といういざという時に、親子の情を感じました。そして、父と共に助けに来てくれた鶴見中尉に感謝するという感動エピソードです。が、単に感動物ではすまないのがこの作品。そんな感動的な筋書きを仕込んだ鶴見中尉の手腕に感嘆しつつ恐怖も覚える構成がうまかったです。突然のフレディ・マーキュリー、みたいなナンセンスなギャグも光ります。
時光代理人 -LINK CLICK- 2話 「秘伝のレシピ」

©bilibili/BeDream
写真の撮影者の精神に入れるトキ、写真の当時何が起こったか知ることができるヒカル、二人の能力者が、写真を手がかりに過去を探る探偵的な裏仕事を請け負っているという作品です。
この回は、共同経営者が秘密にしていた秘伝のレシピを入手してほしい、という依頼の回。中国において女性が起業して大きくしていく困難さを親友と共に乗り越えていく、シスターフッド的な雰囲気がいいです。写真の中の二人は変わらないけれど、人の心は変わっていく。クライマックスで視点が反転する構成も見事でした。
以上、2022年の10選となりました。今年もありがとうございました。
テーマ:アニメ・感想 - ジャンル:アニメ・コミック タグ:2022年アニメタグ:話数単位で選ぶTVアニメ10選